「樹脂めっき」とは?
「樹脂めっき」製品の生産プロセス
現在当社では、ABS成形品の投入から完成まで自動化されたラインで「樹脂めっき」製品を生産しています。
ここでは、「樹脂めっき」製品の生産プロセスをわかりやすくご紹介します。
ここでは、「樹脂めっき」製品の生産プロセスをわかりやすくご紹介します。
前処理
脱脂工程
■製品表面の洗浄
製品投入後は製品表面に付着している指紋油分、ゴミなどを除去し、次工程のエッチング液のヌレを良くする。
ヌレとは?
はじかない、表面が濡れている状態。
エッチング
ABS樹脂中のブダジェンをクロム酸ー硫酸により化学的に溶解させ、表面に微小凹凸を形成し、めっき膜の密着性を良くする。
キャタライザー(触媒付与)
溶液に浸漬すると樹脂表面にパラジウムとスズのコロイドが吸着する。
アクセレーター(活性化)
反応によりパラジウムイオンが金属化し、化学めっきの触媒となる。
触媒とは?
それ自身は化学変化することなく、他の物質の反応を促進する作用を持っている物。
化学ニッケル(無電解ニッケルめっき))
電気めっきを行うため、化学ニッケルによりABS樹脂表面を導電化させる。
化学ニッケルめっき液は金属イオン、錯化剤、還元剤等からなっており、以下の反応が行われる。
化学ニッケルめっき液は金属イオン、錯化剤、還元剤等からなっており、以下の反応が行われる。
電気めっき
ストライク Ni めっき
■ハンガーと製品の接点部の膜厚強化
化学ニッケル析出後、いきなり高電流で電気めっきすると、製品とハンガー接点部がスパークしてしまい、めっき膜が無くなってしまう。通電しなくなる。
硫酸銅めっき
延性の良い銅めっきを厚めにつけて、めっき部分の耐熱・耐寒性を良くする。同時にレベリング効果を与える。
■耐熱・耐寒性
銅めっきを厚くすることで、収縮によるめっき膜の割れを防ぐ。
■レベリング効果
凹凸を平滑化し、光沢が向上する。
半光沢ニッケルめっき(S-Ni)
耐腐食性を高めるための2層のニッケル ①
■下地(銅)の保護
次工程の光沢ニッケルめっきとの電位差をつけて、錆びにくくさせる。
光沢ニッケルめっき(B-Ni)
耐腐食性を高めるための2層のニッケル ②
■下地(銅)の保護
半光沢ニッケルめっきとの電位差をつけて、錆びにくくさせる。
マイクロポーラスニッケルめっき(MP-Ni)
さらに高い耐腐食性を得るために行う。細かい孔の空いたクロムめっき膜になるように非導電性の微粒子をめっき膜に共析させる。
クロメート
ニッケルめっきの表面を薄いクロム酸溶液に浸漬させ、ニッケルの酸化防止をする。直接クロムめっき処理するよりもシミの発生が少なくなる。クロムの着きまわりが良くなる。
クロムめっき
硬くて錆びにくいめっき膜。
キレイな光沢外観のめっき膜となる。
めっき膜を厚くすれば錆びにくくなるがめっき膜にヒビ割れが発生してしまう。
キレイな光沢外観のめっき膜となる。
めっき膜を厚くすれば錆びにくくなるがめっき膜にヒビ割れが発生してしまう。
水洗・純水水洗・乾燥後 めっき処理完了